エンタープライズ事業という第二の収益の柱を創り上げた今、
新たな成長ステージへ

 当期は、注力事業であるエンタープライズ事業の売上高が、M&Aの効果もあり前期比約1.5倍となるなど大幅増収を継続するとともに、エンターテインメント事業も好況なコンソールゲーム市場等を背景に売上高2桁成長を実現するなど、両事業とも好調に推移いたしました。特にエンタープライズ事業は、2022年4月に中核企業である株式会社AGEST(以下、「AGEST」)を組成したことで、従来の“ゲーム”とは異なる“Tech”系のブランドの確立や”先端品質技術“を追求していくための社内体制整備を推進することができ、事業拡大に必要不可欠なハイスキルエンジニアの採用が従来以上のペースで進むなど、確かな手ごたえを感じることができました。

 その結果、当期の売上高は、36,517百万円(前期比125.2%)、営業利益3,000百万円(前期比111.3%)と過去最高の売上高・営業利益を更新することができました。親会社株主に帰属する当期純利益は、のれんの減損損失を含む特別損失の計上により、799百万円(前期比45.0%)と減益となったものの、ビジネスそのものは、想定通り順調に進んでいると考えております。

 当社は2017年以降、祖業であるエンターテインメント事業に続く第二の収益の柱を構築すべく、エンタープライズ事業の拡大に注力してまいりました。今では、エンタープライズ事業が連結売上高の5割近くを占める規模にまで成長し、連結営業利益に貢献できる収益性も確立することができました。その一方で、成長スピードや企業文化が大きく異なる2つの事業を同じグループ内で保有していることによる弊害を感じることも出てきました。例えば、エンタープライズ事業では、急増する需要を確実に獲得するため、また他にはない”QA for Development”という高付加価値型のQAソリューションを早急に立ち上げるためには、従来以上のスピード感をもって人的資本への継続投資や、専門性を向上させるための技術投資、さらには、これらの人的資本・技術力強化を加速させるためのM&A等の機動的な実施も必要不可欠となっています。一方、エンターテインメント事業では、当社ならではのユニークな”ゲーム人材”を活かしたサービスの高付加価値化や、グローバル化への対応、NFTゲームやWebtoonといった新たな領域への事業拡大といったビジネスチャンスへの挑戦が求められています。このように、異なるビジネスモデル、異なる専門知識を要する両事業がそれぞれの成長機会を確実なものにするためには、現在の体制のままでいるよりも完全に両事業を分離し、それぞれが迅速な経営判断のもと経営リソースを集中投下するとともに、それぞれの分野に特化した企業ブランディング、事業基盤構築、技術追求等を行っていくことが極めて重要であると判断し、この度、AGESTを中心とするエンタープライズ事業を独立した上場企業グループとすることを目的に、AGESTのスピンオフ及びAGEST株式の上場(以下、「本スピンオフ上場」)に向けた準備を開始することといたしました。次期においては、本スピンオフ上場に向けた準備を進めつつ、両事業ともに成長に向けた取り組みを加速させることで、過去最高の売上高・営業利益の更新を目指してまいります。

 今後も当社グループでは、絶えず新しい挑戦を続けることで、企業価値の最大化を目指してまいります。株主の皆様におきましては、今後の当社の成長にご期待いただき、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2023年5月11日
代表取締役社長 CEO 二宮 康真