スピンオフ上場に向け、
当期より完全に独立した2グループ経営をスタート
それぞれの事業特性・成長戦略に特化した取り組みを推進
当社では、昨年からお伝えしておりますとおり、2025年内に当社の連結子会社である株式会社AGESTの株式分配型スピンオフ及び上場(以下、「スピンオフ上場」)を行うことを目指し、その準備を進めております。当期はその直前期に当たる年として、DHグループ、AGESTグループそれぞれ完全に独立した企業グループとしての経営をスタートいたしました。
企業カルチャーや事業特性、成長戦略が異なる両グループを完全に分離することで、今まで以上に迅速な意思決定ができるようになり、それぞれの事業成長に必要な投資や戦略的なアクションの実行を加速することができたと考えております。DHグループにおいては、「エンターテインメント業界のグローバル・クオリティ・パートナー」という目標に向け、グループ会社間やアライアンスパートナーとの連携を強化することで、翻訳・LQAやマーケティング、音声収録等、コンテンツの海外展開に必要なソリューションをワンストップで提供できる体制の構築に努めてまいりました。また、株式会社ロゼッタと共同開発したゲーム特化型AI翻訳エンジンの実用化に向けた取り組みを推進するとともに、新たな領域での事業拡大を目指しAI関連企業に資本参加するなど、従来にはない発想での付加価値の創造や生産性の向上等に注力してまいりました。その結果、DHグループ事業の成長ドライバーの1つであるグローバル事業が2桁増収を実現するなど業績をけん引し、セグメント全体で増収・増益を達成いたしました。一方、AGESTグループにおいては、「先端品質技術を追求したグローバルNo.1のQAカンパニー」という目標に向け、テスト専門企業ならではのソリューション拡充や付加価値向上に努めてまいりました。具体的には、再現テストや不具合箇所の特定をAIが行う“AI Debug for Enterprise”の提供開始や、海外子会社との連携強化による独自のテスト自動化ツールの拡充等、QA分野における先端技術活用を推進いたしました。また、セキュリティ関連企業がセキュリティ企業に出資するファンドに参画するなど、業界全体の活性化や新たなビジネスチャンス獲得に努めてまいりました。残念ながら業績面では、増収を達成した一方で、クライアントにおける特定案件の計画見直しに伴う粗利率の低下や前期2Q以降に大幅に増加したスピンオフ上場準備費用の影響等を受け、減益となりました。ただ、これらはあくまで一時的な要因であり、2Q以降は、好況なマーケット環境を追い風に右肩上がりの売上成長を見込むとともに、スピンオフ上場準備費用増加の一巡等からも、利益面でも増益トレンドに転換できると考えております。
当第1四半期連結累計期間の連結売上高は9,835百万円(前年同期比105.8%)、連結営業利益は295百万円(前年同期比73.2%)と、通期計画に対しややスロースタートとなっておりますが、第2四半期以降も、専門人材がそれぞれの事業に集中することで成長を加速させ、過去最高の売上高・営業利益の更新となる通期計画達成を目指してまいります。
株主の皆様におかれましては、当社の新たなチャレンジにご期待いただき、引き続き変わらぬご支援をいただけますと幸いです。
2024年8月8日
代表取締役社長 CEO
筑紫 敏矢