上期として過去最高の営業利益を更新
事実上の独立経営体制のもと、両事業それぞれの成長戦略を加速

当中間連結会計期間は、Nintendo Switch 2の発売等を追い風に国内デバッグサービスで力強い成長を実現するとともに、QAソリューションにおいても着実に新規案件を獲得するなど、DHグループ事業、AGESTグループ事業ともにコア事業で増収を達成いたしました。当中間連結会計期間の売上高は、前期3Qに売却したノンコア事業会社の影響で、19,112百万円(前年同期比4.0%減)となりましたが、本売却の影響を除くと前年同期比7.0%増収と、実質ベースではしっかりとトップラインを伸ばすことができました。また、利益面においては、収益性の高い国内デバッグサービスの伸長やAGESTグループ事業における利益体質への転換等により、営業利益は1,438百万円(前年同期比74.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は、投資有価証券評価損299百万円の計上があったものの、757百万円(前年同期比66.5%増)と大幅増益を達成いたしました。このように当期上期は、会社計画に対しても順調に進捗しており、下期も通期計画の達成に向けしっかりと両事業伸ばしていきたいと考えています。
また、当期に入り、両事業ともに今後の成長に向けた様々な取り組みを大きく前進させることができたと考えています。以前からお伝えしているとおり、当社では2023年5月から株式会社AGESTの株式分配型スピンオフ及び上場の準備を進めており、現在、事実上2つの独立した企業グループ経営を行っております。この独立経営体制になって以降、迅速な経営判断のもと、それぞれの事業領域における集中投資を行うことができるようになったと実感しております。
例えば、DHグループ事業においては、グローバルクライアントの獲得に向け、リソースの強化やアライアンス強化を通じたソリューションの拡充等に注力してまいりました。当期は、独自のAI翻訳エンジン”ella”を活用したソリューションの本格展開を開始するとともに、新たにタイに子会社を設立するなど、ゲーム翻訳リソースの強化を図ってまいりました。さらに、シンガポール法人との戦略的業務提携を通じたゲーム開発支援強化や英語デバッグの拡充を狙ったカナダのデバッグ/QA会社買収の決議など、一気にソリューションの幅や対応地域拡大に向けた取り組みを加速することができたと考えております。
一方AGESTグループ事業においては、今後の成長の柱となる、独自のAIテストツール“TFACT(ティファクト)”を2025年9月に正式にローンチするとともに、純国産のSBOM(*)ツールの開発に着手するなど、今後確実に需要が拡大するソフトウェアテストやサイバーセキュリティの領域において、技術力を活かした付加価値の高いサービス開発に向けいち早く取り組むことができたと考えています。
このように、両事業ともにそれぞれの事業領域に特化した成長戦略を加速させており、確実に成果につながってきています。今後も当社では、両事業の成長ポテンシャル最大化に向け、全力で取り組んでまいりますので、株主の皆様におかれましては、今後とも引き続き変わらぬご支援をいただけますと幸いです。
*SBOM…Software Bill of Materialsの略称であり、ソフトウェアを構成する部品(コンポーネント)やその依存関係をリスト化したもの
2025年11月6日
代表取締役社長 CEO
筑紫 敏矢
