当第3四半期に、10億円と過去最高の四半期営業利益を更新
2025年内のスピンオフ上場に向け各事業の成長性に確かな手ごたえを掴む

当第3四半期連結累計期間は、DHグループ事業・AGESTグループ事業ともに増収・2桁増益を達成するなど好調に推移し、連結売上高は30,414百万円(前年同期比106.1%)、連結営業利益は1,837百万円(前年同期比129.2%)となりました。当上期、特に第1四半期は、特定案件のリスケジュールの影響によりAGESTグループ事業が赤字スタートとなるなど、株主の皆さまにご心配をおかけしたかと思います。しかし、当第3四半期は、AGESTグループ事業でも過去最高水準のセグメント利益率約7%となる2.8億円を、DHグループ事業もセグメント利益率11%となる7.2億円の利益を創出し、連結全体の営業利益は四半期として過去最高となる10億円を記録するなど、我々が思い描いている事業の成長性をきちんと実績で示すことができたと感じております。
当社では現在、2025年内にAGESTグループ事業の中核子会社である株式会社AGESTの株式分配型スピンオフ及び上場を行うことを目指しており、その準備の一環として、当期から完全に独立した2グループ経営を開始しております。この新しい経営体制になって以降、DHグループ事業はゲーム・エンターテインメントコンテンツのグローバル展開支援を、AGESTグループ事業はソフトウェアテスト領域における技術力追求と、各事業特性にフォーカスした成長戦略を加速させています。その象徴的な事例の一つとして、DHグループ事業では、従来の機械翻訳では対応が難しかった“感情”を表現する独自のゲーム特化型AI翻訳エンジン「ella」を株式会社ロゼッタと共同開発し、本翻訳エンジンを活用した新サービスを開始いたしました。この「ella」は、すでにトライアル含め50件も受注が進んでおり、クライアントからの評価も高く、今後当社グループの強い武器になると考えています。一方、AGESTグループ事業では、テスト工数を30%程度削減可能な独自のAIテストツール「TFACT(ティファクト)」の開発を進めるなど、テスト領域におけるAI活用を本格化いたしました。こちらも、エヌ・ティ・ティ レゾナント・テクノロジー株式会社のプロジェクトへの活用や同社が提供するリモートで実機検証可能なクラウドサービス「Remote TestKit」と連携させたテスト自動化の共同検証を予定するなど、他社にはない独自のAIテストの確立に向け前進しています。
このように、両事業それぞれ全く異なるベクトルへの成長戦略を推進しており、その成果がこの第3四半期から実績として確実に目に見える形になってきたと考えています。今後、スピンオフにより独立した2つの企業になった後も、両事業ともにさらなる成長を実現できる、と確かな手ごたえを感じています。順調にいけば、当期がDHグループ・AGESTグループそろって1年を過ごす最後の年となります。第4四半期は、クライアントの決算期末に伴い需要が拡大する重要なシーズンであり、これらの繁忙期を着実に取り込むことで次期以降の成長に弾みをつけたいと考えています。
また、最後になりましたが、2025年4月19日より、当社の前身となる有限会社デジタルハーツの創業から25年目を迎えることから、これを記念し、当期の期末配当に記念配当2.0円を追加する方針とし、また、記念株主優待の実施も決議いたしました。
今後も、企業価値最大化に向けた挑戦を続けながらも、株主の皆さまへの還元も意識した経営を推進してまいります。株主の皆さまにおかれましては、引き続き変わらぬご支援をいただけますと幸いです。
2025年2月6日
代表取締役社長 CEO
筑紫 敏矢